エコツーリズム

ハワイの島々は、複雑で、外界からの影響を受けやすく、壊れやすい生態系の上に成り立っています。そのため、絶滅が危惧されているハワイ固有種の植物や動物が、地球上で最も多く存在するという状況です。ハワイアンやハワイ在住者の人々が重視しているのが、マラマ・アイナ、土地を大切にするという精神です。観光でハワイを訪れる方々でも、土地を敬い、守るために伝統的に行われてきたことを学ぶ方法はたくさんあります。そして、それが将来のハワイの自然を守り、ハワイの人々をも助けることにつながります。エコツーリズムに興味のある旅行者の方々のために、様々な農業関連のツアー、植物園、ハワイ独自の環境について学べる施設があります。

カウアイ島
ハナレイの美しい緑に覆われた農園で行われるツアーでは、ハワイアンの大切な主食、カロ（タロ）がどのように栽培されているのかを学ぶことができます。カウアイ・コーヒーの 本場、カウアイ島南海岸には現役のコーヒー畑が広がります。カウアイ島では、ハワイでも最大規模の植物園－ナショナル・トロピカル・ボタニカル・ガーデン（国立熱帯植物園）の3つの植物園、コロアの西にあるアラートン・ガーデンとマクブライド・ガーデン、ノースショアのリマフリ・ガーデンがあります。さらに、12月から5月はホエール・ウォッチング・ツアーに参加でき、ポイプ・ビーチ周辺のカウアイ島の海では、1200頭ほどの、絶滅が危惧されているハワイアン・モンクシールも見られます。

オアフ島
ハワイ・リージョナル・キュイジーヌにおいて大切な、地産地消のプロセスが学べる農園ツアーに参加したり、ホノルル・ボタニカル・ガーデンに属する、オアフ島の5か所に設置された植物園でハワイ固有種の植物や花を見ることができます。12月から5月にかけては、オアフ島の南海岸から出航するホエール・ウォッチングに参加し、毎年ハワイの温かい海で過ごすザトウクジラに会いに行くこともできます。

ラナイ島
リゾートエリアを除き、ラナイ島の大部分は何百年前と同じ姿を見せています。ラナイ島中央部には、クック・パインとパイナップル畑の名残くらいしか見られませんが、タイムトリップしたような珍しいスポットもあります。カネプウ自然保護区では、48種の絶滅危惧種となったハワイ固有種が見られ、それらの植物は掲示板などで詳しく説明されています。自然保護団体ザ・ネイチャー・コンサーヴァンシーによって保護されており、現在のラナイ島において、この壊れやすい生態系をどのようにして残していくかについて学ぶことができるようになっています。

マウイ島
マウイ島のアップカントリー（内陸部）までドライブすれば、クラに広がるラベンダー畑や力強く咲くプロテアの花に囲まれながら、散歩することができます。クラ・ボタニカル・ガーデンでは、ハワイ原産の植物を間を歩きながら、古代のハワイを垣間見ることができます。標高3,055mにもなるハレアカラの山頂では、ハワイ州鳥のネネ（ハワイガン）や、朝日にゆらめく珍しい植物、ハレアカラ・シルバーソードが見られます。

モロカイ島
農園ツアーに参加すると、地元の人々がどのようにモロカイの土地を活用しているかが分かります。パーディーズ・ナチュラル・マカダミアナッツ・ファームでは、農園ツアーも行われています。ちなみに、ハワイは世界的にもマカダミアナッツの主要な生産地となっています。環境保護についてより詳しく知りたい方は、ザ・ネイチャー・コンサーヴァンシーが管理する二つの自然保護区－北西海岸にあるモオモミ自然保護区と、モロカイ島東部の山岳地帯、熱帯雨林にあるカマコウ自然保護区を訪れることができます。

ハワイ島
ハワイ島には、生態系について学び、この島にしかない自然の美しさを体験する機会がたくさんあります。ハワイ・ワイルドライフ・センターのホオプラマ・サイエンス・アンド・ディスカバリー・センターでは、ハワイ固有の鳥や野生生物をどのように守り、増やしていこうとしているのかについて学ぶことができます。ナチュラル・エナジー・ラボラトリー・オブ・ハワイ（ハワイ州立自然エネルギー研究所／NELHA）では、再生エネルギー、将来に向けての持続可能な地球環境を作り出す取り組み、最先端テクノロジーなどについて学べるツアーを、フレンズ・オブ・NELHAグループが行っています。また、ハワイアン・レガシー・ツアーに参加すれば、コアの木の植樹ができ、ハワイの自然を復元するための手助けをすることができます。